お盆について
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お盆について
「Q1お盆にはお寺さんに来てもらってお経を誦んでもらいますが、それにはどういう意味合いがあるのでしょうか?」
A お盆にお経を誦んでもらうことを「棚経(たなぎょう)」と言います。
真夏の暑い日差しの中を汗を拭き拭き、檀家の家を廻るお坊さんの姿は、夏の風物詩として身近なものですね。
それというのも、先祖を敬い、敬虔な気持ちで亡くなって人の魂を迎え入れようとすることは、私たちの心の底にある変ることのない思いでしょう。
棚経はそのような願いを、読経という功徳で精霊に手向けるためのものです。
今では、だんだん薄れつつありますが、少し前まではお盆の休暇といえば、家を出て遠方で働いている家族も全員集まって、一緒に過ごしていました。
現在のような殺伐とした時代には、家族の心をひとつにする意味からも、ぜひもう一度よみがえらせたいお盆の過ごし方ですね
「Q2 お盆の行事は仏教に特有のものではなくて、先祖崇拝の意識から自然発生したものだということですが、本当でしょうか?」
たしかに、お盆に行われる先祖供養という風習については、盂蘭盆経(うらぼんきょう)に説かれていることだけのことだから、
一概に説明することはできないようです。
なぜなら、先祖を崇拝する風習は人間にとって共通のものですし、特に濃厚紋族においてはそういう観念が強かったようですから。
わが国でも先祖が神となって親族を守護してくれるという考え方は古くからあり、お盆に先祖の霊を迎えるのは、
お正月に祭神を迎えることと共通点が多々あるとされています。
つまり、家族が全員集まって、粗霊と共に過ごすことが重要とされてきたのです。
「Q3 最後に盂蘭盆会を迎えるにあたっての心がまえのようなものを教えてください。」
A これはもう簡単なことです。
お盆の棚経やお墓参りを通じてご先祖様や亡くなられた方の菩提を弔い、自分が今こうしてあることのありがたさを深く感じて、
仏教徒としてできるだけの供養をすることが、何よりの回向になるのではないでしょうか。
昔ながらの精霊棚や迎え火・送り火、精霊流しなどの風習を復活させることも素晴らしいことですが、
形ばかりにとらわれて心がこもっていなければ何にもなりません。
私ども仏教に帰依する者にこころがけねばならないことは、連綿として続けてきた盂蘭盆会の行事を通じて、
人としての心の持ち方、毎日に過ごし方を、あらためて考え直すことだと思います。
南無大師遍照金剛
沙門 悠心
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