布団を整える朝
目次
布団を整える朝 〜眠りから目覚めて、今日を始める〜
実はわたくし、愛犬と寝ております。
愛犬はどうも同じ布団で眠りたがるもので、大人用の布団2組を並べているのです。
その布団で、愛犬がぐっすりとおへそを天井に向けて大の字になって眠ってしまいますと、私の寝るスペースがすっかりなくなってしまいます。
そこで私は、もう一方の布団に移動して、引き続き眠ります。
すやすやと安らかに眠っているその姿は、この上なく愛おしいもので、そのまま寝かしてやりたいと思うのです。
🛏 布団をたたむ、という朝の所作
そんな愛犬との幸せなひとときのあと、朝の習慣としてまずするのが、布団を整えることです。
身体を休める場をきちんと整えることで、眠りと目覚めのけじめが生まれます。
仏教では、「一日一生」という言葉があります。
今日という一日を一生のつもりで丁寧に生きるという意味です。
その「一日」が始まる最初の所作として、布団をきちんとたたむこと。
それは、今この瞬間を大切にする仏道の第一歩ともいえるのです。
🧘♀️ 身を起こし、心を起こす
寝ぼけたままの身体をゆっくり起こし、深呼吸して布団に手をかける。
たったそれだけのことなのに、不思議と心が整ってくるから不思議です。
ぐしゃぐしゃの布団をそのままにして過ごすと、気持ちまでどこか散らかったようになります。
逆に、整った寝具にふと目をやると、心が澄んでくるものです。
自分の眠った場所を整えることは、自分の生き方を整えること。
🌿 小さなけじめが、一日を導く
仏教には、「端坐(たんざ)」という教えがあります。
これは、姿勢を正し、心を静かに据えることを意味します。
布団をたたむという朝の所作にも、同じように姿勢を整え、心を定める力があります。
何気ない動作の中にこそ、気づきがあり、感謝があり、祈りがある。
そんなふうに一日を始めると、不思議と穏やかな時間が流れ出すものです。
🐾 愛のとなりで眠ること
愛犬と並んで眠るその時間は、私にとって何よりもやさしい時間です。
強く抱きしめずとも、寄り添って眠れるだけで、満たされた思いになります。
そして、そのまどろみの中でふと起きた朝に、
今日という一日を丁寧に生きようと、そっと心に誓うのです。
布団をたたむその一手に、今日の第一歩の祈りをこめて――。