桜の下で想うこと
皆さま、こんにちは。心和寺の住職でございます。
毎年この季節になると、毎朝の散歩コースにある公園の桜がゆっくりと花開いてまいります。
ひとつ、またひとつと淡いピンク色の花びらが枝先に咲きそろい、
いつものお寺の景色が、ふわりと春の衣をまとったように優しい表情を見せてくれます。
私はこの桜の咲く頃が、一年でいちばん好きな時季かもしれません。
朝のお勤めを終え、愛犬の散歩中に、ゆっくりと花を眺める時間が、
何とも言えない安らぎを与えてくれます。
小鳥の声と、時折吹く風に揺れる花びら。
その静けさの中に、命の尊さや美しさが、そっと語りかけてくるように思うのです。
桜は、ほんとうに不思議な花です。
咲いているあいだは、人々の心をやさしく照らしてくれるのに、
あっという間に散ってしまいます。
まるで「永遠に同じものはないのですよ」と教えてくれているかのようです。
仏教では「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉があります。
すべてのものは移り変わり、
どんなに美しいものも、
どんなに苦しいことも、
ずっと続くわけではない
──そんな真理を、桜は静かに私たちに見せてくれているのだと感じます。
だからこそ、私は「今この瞬間」を丁寧に生きることの大切さを、
桜の花に思い出させてもらっています。
皆さまも、どうぞこの春、お時間がありましたらお花見を楽しんでみてください。
静かな時間のなかで、自分のこころを少しだけ見つめ直してみたり、
どなたかをそっと想ってみたり。
そんな、日常から少し離れたひとときをお過ごしいただければ幸いです。
桜の花が咲くこの季節、皆さまの心にも、やさしい春の光が差し込みますように。
合掌
心和寺
岡山県倉敷市老松町5-3-62
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