ブログ:和顔愛語

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幸福になるための知恵

 

感謝の心が、人間関係を調えていく

「ありがとう」――
この言葉を、今日はどれだけ口にしたでしょうか。

「ありがとう」

感謝の気持ちを持ち、言葉にすること。
それは単なる礼儀ではなく、私たちの人間関係を支える大切な柱です。
実はこの「感謝の心」こそが、日常のさまざまなトラブルを未然に防ぎ、
穏やかな人間関係を築く力を秘めているのです。

感謝の心をもつ人は、他人の言動をあたたかく受けとめる傾向があります。
ちょっとした違いや失言があっても、「悪気はなかったのだろう」と解釈し、
不必要な怒りや対立を生まないのです。

反対に、感謝を忘れてしまうと、
他人の行動が「当然」「物足りない」と感じやすくなり、
そこから不満やトラブルが生まれやすくなってしまいます。

仏教では、「和顔愛語(わがんあいご)」という教えがあります。
やわらかな顔、やさしい言葉――
それは心の中に“ありがとう”の種があるからこそ自然にあらわれるもの。
その姿は周囲にも安心と信頼を与え、人間関係に調和をもたらします。

また、「報恩(ほうおん)」という仏教語があります。
これは「受けた恩に報いること」。
誰かの支えややさしさに対して、心からの感謝をもって生きる姿勢です。

感謝の心をもつ人は、周囲にあたたかさを広げます。
人間関係のトラブルが少なくなり、心が平穏でいられる。
そしてその平穏は、家族にもやさしさとして伝わり、
思いやりの循環が生まれていきます。

そうした幸福の連鎖は、やがて「家門繁栄」ともいえる形で現れるかもしれません。
それは名誉や財産ではなく、
人の心が支え合い、代々つながっていく豊かさ――
まさに、仏教が大切にする“内なる繁栄”です。

感謝とは、「争わぬ智慧」です。

今日もまた、誰かに「ありがとう」と伝えられる一日でありますように。

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真言宗 八幡山 心和寺 老松別院
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